ついにと言うかとうとうと言うか、表題をいろいろと変えつつも20年続いた愛誌『Diver』への僕の連載も今回を持って最終回なのだ。28歳のときから始めさせてもらったのだが、初稿を書いたあの日がまるで昨日のような感じである。この連載のおかげで写真集も出すことができたし、写真も文章もたいへん勉強になったのだ。非常識に好き勝手書いてずいぶんと迷惑をかけた編集部の皆さんにはほんとうに感謝しています。
というわけで、長年毎日のように、ダイビングと水中写真を通して自然を感じる作業をずっとやってると、人間がどんどん強欲になってさまざまな問題を起こしてることが、ほんとうにシンプルによく見えてくるような気がするのだ。人間も地球上の一生物にすぎないんだから、自然の掟というか決まりごとを破るのはやっぱり良くないと思えてくるのであった。
遺伝子組み換えで腐らないトマトを作ったり、虫が食べると死んでしまうジャガイモを作ったり、あるいは病気だからといって他人の臓器を金に負かせて欲しがったり、60歳過ぎても子供を産みたがってみたり、わがままにも程があるというものだ。イカもタコもカニもそんな訳のわからんことは言わずに、いさぎよくあるがままに誇り高く生きてるではないか。
我々の日常に目を向けても、季節外れの野菜や果物が農薬と化学肥料とビニルハウスなどの石油製品で力づくで作られてるし、安い魚や肉や乳製品はホルモン剤をはじめ薬漬けだったり、見慣れてる光景がじつはとんでもない異常な世界だということが、ちょっと正気に戻ればよ〜くわかるのだ。スクーバダイビングは高エネルギー消費の先進国の一部の人問だけのレジャーであるが、言い換えればそれだけこれからの地球に影響力を持つ人々が楽しんでるレジャーでもあるのだ。人間の侵略の影響が少なくく間近に生き物の密度の濃い海中世界へ小旅行すると、楽しみながら自然の偉大さを体感できて、サンゴを蹴飛ばして折るくらいの見返りはじゅうぷんにあるのだ。心の底からほんとうにいい趣昧だと思う。ダイバーでよかった!
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