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この一年間セブとパラオのクルーズ船に乗りっぱなしだったけれど、ヒンズースクワット1000回と椅子の上に足を載せてする腕立て伏せ300回をメニューとする「タタミー畳トレーニング主義」を毎日実践したおかげで、頭はともかく身体の老化はなんとか防げたのであった。しかし、ダイバーにとって最も肝心な鼓膜はまったく鍛えようがなく、セブで3回、パラオで2回も穴が空いて、潜れないつらい日々を何日も味わうハメになったのであった。誰か鋼鉄の鼓膜にする方法をご存知のかたは、ぜひ月刊『Diver』まで御一報ください。
というわけで、水面近くでマンタとシンクロして泳いだりするとバリバリと異音を発して破ける鼓膜になるべく負担をかけずに水中写真を撮る方法として実践していたのが「半紙一枚ワンロール撮影主義」で、半紙一枚ほどの面積の中の被写体にフィルムー本使い切ってしまうとても静的な大方洋二ふう死体的撮影スタイルだったのだ。
といっても、マクロ撮影でほとんど動かない共生ハゼを撮るのは自分もほとんど動けなくなる90歳以降の老後の楽しみにとっておくつもりなので、不良中年などと呼ばれてるうちはビビッドに動き回る女の子もとい魚から、優先的にジャスピンでナイスコンポジションを目標にショットすることを心がけているのだ。そんな、鼓膜に優しく反射神経の訓練に最適な絶好の被写体がクマノミ君で、誰もが撮っているからとばかにしちゃいけないのである。実際、マクロでクマノミの写真を撮るのは意外と難易度が高く、ある写真集なんかピントの甘い写真でもけっこう平気で使われているくらいなのだ。
まあ、それはさておき、今年はイソギンチャクの白化現象が世界的に起きたので、いつもより白っぽいイソギンチャクをバックにした貴重なクマノミ君たちが撮れたのだった。
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